朝起きたら、声が全く出てこない。これじゃ仕事にならないので、何年かぶりに耳鼻咽喉科へ行く事にした。
耳鼻咽喉科という科名が示すように、耳・鼻・喉はつながっている。日常生活を送る上で常に働いている器官であり、コールセンタでCall Agentとして働く身としては、声が出なければ仕事にならない。そればかりか、天気が良いのに「気分が晴れない」という表現を超え、原付を運転していたら対向車線に突っ込んだり、ゆいレールの駅のホームから飛び降りたくなる衝動に駆られている自分がいる。
こんな気分の中を1人で那覇まで戻るなんて、自ら死にに行くようなものだ。今回は幼い頃から通い付けている病院ではなく、うっきー邸から徒歩圏内の病院へ出かける事にした。
そう決めて、勤務先に欠勤の連絡をする。
「Oくん、ごめん。声がこんな感じで声が出せないのもそうだけど、気持ちが久しぶりに落ちてる。この勢いだと、ゆいレールのホームから飛び降りてしまうかもしれない。本当にごめんなさい、苦しいんだ。」
「はらへりさん、ちょっと待ってよ...(大汗)」と数秒間、上司が絶句した。「あのさ、病院での診察結果とかが出たら、夕方でも夜でも構わないから、聞かせてくれる?」そう言うのが精一杯だったようだ。電話を置いたら、久しぶりの落ち込みっぷりと不甲斐なさに、トイレで独り、号泣していた。
さて。いつまでも泣いている訳にはいかない。病院へ出かけよう。
付近を散歩していて、その耳鼻咽喉科の電柱広告が以前から気になっていたのだ。五線譜や音符がたくさん描かれているデザインが、ものすごーく気になっていたのだ。
平日でも常に風邪っぴきの子ども達で混雑しているという印象を持っていた。が、いざ足を運んでみると、目の前には、私が幼い頃に通っていた那覇市内の耳鼻科ではまずありえない光景が。春休みシーズンなはずなのに、なんと、貸し切り状態だったのだ(笑)。
初診なので、保険証を提示して問診票に記入をし、名前が呼ばれるのを待っていた。
科目にかかわらず、病院や処方箋薬局の受付には必ずと言って良いほど、製薬会社のキャラクターぬいぐるみが置かれている。キツネさん、クジラさん、ペンギンさんが置かれていて、診察室に入るとそれに加えてキティちゃんやスヌーピー、アンパンマンなども置かれている。病院によっては、点滴の針を刺している場所の近くにアンパンマンのシールを貼ったりする。
# 例として、那覇市立救急救命センターが挙げられる。今年に入って既に点滴を3度も受けている私、37歳の私に対してさすがにそれはなかったが
程なくして、看護師さんから呼ばれて診察室へ入った。
「よろしくお願いします」と挨拶をすると、黒髪よりも白髪の方が多い先生(恐らく、50代後半〜60代前半?)から、声を掛けられた。
「はらへ〜りちゃん♪」うぉ、いきなりちゃん付けだ(笑) 続けて「初めましてかな? 今日はどうしたの?」
私が37歳なのは問診票を見て判っているはずなのに、久しぶりにちゃん付で呼ばれた事にまず衝撃。
「昨晩から喉が痛くなっていたのですが、今朝起きたら、声がこんな感じなんです。職務上、これでは仕事にならないので、休んできました。あと、左耳の聞こえも悪いんです」
「仕事は何をしているの?」
「コールセンタでオペレータをしています」
「どこのメーカー?」
「A***e。医療現場からの電話も非常に多いですよぅ」
「あ〜、僕も使っていたよぉ。時給とか、どうなの?」
「***円です」
「...(暗算している) おぉ! 僕が研修医だった頃もね、そんなもんだったよぉ。日給2,500円!」
「それって、現在に置き換えるとどのくらいの金額に...?」
そんな世間話をしながら、患者のキャラクターも見ているのだろう。
「では、診てみますよ〜。」と声を掛けてきたところで、次の衝撃。
「お鼻をきれいにしましょうね〜、ランランラ〜ン、ランランラ〜ン♪ 野菜も食べて、ちゃ〜がんじゅ〜*注1、ランランラ〜ン、ランランラ〜ン♪」
電柱広告に描かれていた五線譜や音符の意味が判った。ここでは先生が診察中に歌ってくれるんだ!(笑)
「先生...めちゃめちゃご機嫌ですね」
「手は忙しいけど、口はヒマなんだよねぇ。」すっかり先生のキャラクターに興味津々になっていた。
# 注1:ちゃーがんじゅー:沖縄方言。「がんじゅー」は頑丈、丈夫、元気という意味だが、その先頭に「ちゃー」が付くと、強調表現の「とても」「非常に」の意味合いが含まれてくる。今で言うところの「超」を付けた表現となる。
診断の結果、扁桃腺に幾つか水泡が出来ていて、そこから喉にかけて炎症を起こしているとの結果。ネフライザー(吸入)を5分行い、抗生剤と風邪薬を複数処方され、診察室を出た。
会計の前に、もう一度フロアを見回した。
ロビーの片隅に、大きな姿見がある。開院記念に贈られたようだ。ゴールドの文字で「京都大学医学部 耳鼻咽喉科学教室同窓会」と書かれている。うわっ、京大出身なの?!(驚)
# 先生の年齢から逆算すると、学生当時の沖縄は米軍統治下。となると、国費制度を使って留学のはず。って事は、かなり優秀な医学生だったのだろう
別の場所には医師会の会報だろうか。先生の寄稿文があった。
「月1回はメスを彫刻刀に持ち替えて、仏像を彫るのが趣味」とある。読み進めてみると、意外な事に先生のキャラクターとはほど遠い、候文に近いものだった。また、メールへの返信が遅れている事に対しておわび、という律儀な面も。院内で使用している機器のリース費削減も兼ねて、Visual Basicなどでプログラミングもしているため、と書かれていた。
好奇心旺盛で、自分で何かを作るのが大好きな性格が見て取れた。キャラクターとテキストとのギャップも面白い。茶飲み友達として、色々と面白い話題が聞けそうだ。
病院へ向かう前は思いっきりヘコんでいたのに、出る頃にはそんな気分がバカらしくなっていた。先生のキャラクターの濃さに元気をもらったのだろう。
ありがとう、先生。
姐さ~ん 久し振りっす(>Σ<)
年末に飲んで以来…(°□°;)
もう4月になっちゃった…(汗)
会社に復帰したんだね~あまり無理しちゃ駄目よ…(>__
綾ちゃん、超久しぶりっ!!
って言うか、なかなかメール出来なくてごめんなさい(ぺこり)
> そうそう、姐さんが行った耳鼻咽喉科だけどね…結構評判良くて、綾の3人の甥っ子達お世話になったよ(笑)
やっぱり、良いお医者さんは口コミで広がるのね。
私の場合は、目のつけ所がヘンだったんだけど(笑)、結果は良かった。
> 体の調子が万全な時にでも飲みに行こうね~(^з^)-☆Chu!!
了解〜♪体調を整えて飲みに行こうね〜(^^)/~~